「なんだか、上手く行かないんですよね・・・・・」
と、手には、手作り餃子と手作りドーナッツ。
なんでも、ドーナッツ、輪っかの形にしようと思ったら、
上手く抜けなくて、それでお団子型で揚げたということ。
玄関先で、つまんで食べてみる。
懐かし〜い味。「おかあさんのドーナッツ」だ!
昔むかし、たぶん、幼稚園か小学生の頃、
母がたまにだけれども、家でドーナッツを作ってくれた。
あの頃、ミス○なんてドーナッツ屋さんはもちろんないし、
気軽に買えるお菓子ではなかったような気がする。
母のはリング型に揚がっていたけれども、
わたしは、リング型の中できる、丸い小さな形が好きだった。
そうそう、グラニュー糖なんてまぶしてなくて、
まわりにまぶしているのは、上白糖だった。
それで、家で作ってくれる、母のドーナッツ、
好きだったか? と聞かれると・・・ちょっと微妙。
何せ、家で作ると大量にできるから、そればかり食べる。
ちょっとだけのドーナッツには、ありがたみがあるけれども、
大皿いっぱいのドーナッツ、2個も食べると・・・
それでも、懐かしい思い出だけは記憶の片りんにある。
子供の頃のドーナッツの味、あれ、幸せの記憶としてしっかり残る。
味がどうのこうのじゃない。
母がドーナッツを作ってくれたこと、
それがうれしかったような気もする。
昨日もらったドーナッツ、なぜドーナッツ作ったの?って聞いたら・・・
お出かけ続きの毎日、ちょっと風邪気味で一日お家にいて・・・
それで、子供たちが退屈そうだったから、
「じゃあ、今日は、お母さんがドーナッツ作ってあげるね!」
って、作ったドーナッツ。
なんだか、聞いているだけで、「幸せの匂い」がする。
いいな〜、その「幸せ」のおすそ分けをいただいて、
ありがとう〜♪
帰宅したオット、このドーナッツを食べて一言!
「おかあさんのドーナッツだ!」って、同じことを言った。
やっぱり、昔、お母さんが作ってくれたドーナッツ。
やっぱり、大皿に山ほど作ってくれたドーナッツ。
やっぱり、上白糖をまぶしたドーナッツ。
ミス○やあちこちのドーナッツ屋さんがあって、
今は気軽に買えるけれども・・・
お家の中から、あの甘い匂いのするドーナッツが揚がるとき、
あの幸せは、幼い子供心にしっかりと残る。
懐かしい、懐かしいドーナッツ、久しぶりにいただきました。
☆また、ちょうだい! ただし、少しでいいからね。
・・・
いただいた餃子もおいしくできていました。
でも、作った本人は、かなり不満顔。
「お店みたいに焼けない・・・」
って、お店じゃないから、いいんじゃない!?
お家にはお家のごはんの味があると思うから、
何もお店みたいじゃいからって、別にそれでいいんじゃない!?
お店というか、専門店で食べる味、それはそれでプロの味。
そばは、蕎麦屋が美味い。
天ぷらは、天ぷら屋が美味い。
ラーメンだって、ちゃんぽんだって、専門店の味が一番。
鮨なんて、鮨屋のにぎり、握りたてが旨い。
ケーキだって、プロが作るのにはかなわない。
それはそれで、「お外の味」で楽しむ。
家には家の味がある。
その味は、味だけではない。
安心・安全・健康、そして、一番大切なのは、幸せがそこにはある。
だから、餃子なんて、プロみたいに、お店みたいに焼けなくてもいいの。
お家の餃子がいいの。上手じゃないのがいいの。
「南極料理人」の中で・・・
料理人がプッツン切れてしまって・・・
それで、他の隊員が料理を作るんだけど・・・
から揚げ、べちょべちょに揚がってしまって・・・
それが、日本で待っている奥さんの作るから揚げに似ていて・・・
料理人、涙ぐみながら食べる。
「胸むくって・・・このから揚げ・・・」って、幸せな顔して。
そう、この料理人にとっては、これがお家のから揚げ。
お家の味、お家の出来、それがいいと思っている。
・・・
そうは言っても・・・
餃子、お店みたいに焼きたい。
天ぷら、お店みたいに揚げたい。
だから、あれこれ工夫する。
主婦歴30数年。
まだまだ、上手くいくときもあれば、そうでない時もある。
それでも、お家で作るごはん、これが一番だと思う。
それでいいのだ。
それでいいのだ。なんたって、お家ごはんが最高だ!