パン作りの道具、少しだけ買った。
ポリカーボネートのボウルを数種類。
ポリカーボネートって、プラスチックみたいな透明な素材。
軽くて扱いやすい。チンもできる。
これで、ぐんとパンとかの計量が簡単になった。
今までは、そこいらのボウルとか丼とか鍋とか、使っていたから・・・
今の気分、ちょっと幸せ!
さっそく、カンパーニュとブドウパンを焼く用意。
・・・
数日、ずっと考えていた。
何がって・・・ 映画のこと。
BSで放映された「レボリューショナリ・ロード」っていう映画のこと。
「タイタニック」に出演した、例のカップルが演じる映画。
美しすぎるふたりが出演する映画なのなのだが、
「タイタニック」のようなおとぎ話のような甘美な物語ではない。
むしろ、ホラー映画よりも、ある意味怖い、そんな映画なのである。
(もちろん、ホラー映画ではない・・・)
−あらすじ−
アメリカ、時代は、1950年代後半から1960年代初めごろ。
ニューヨークの郊外レボリューショナリー・ロードに住む、
若き、そして、美しきカップル、フランクとエイプリル。
エイプリルは女優志望だったが、その夢は昔のもの。
ふたりは、近隣でも「特別な」カップル。
自分たちも、「特別な」夫婦だと思っている。
ふたりは、二人の子供を持ち、一見幸せな生活をしている。
が、ふたりには、なにがしのフラストレーション(不満)がある。
「特別な」ふたりであるはずなのに、
今の、恵まれてはいるが、ごく平凡な生活に満足せず、
妙ないらだちがある。
ある日、妻のエイプリルが思い立つ。
パリへ家族ともども、生活の場を移すということ。
そこに、見果てない夢を見るエイプリル。
突拍子もない話しだが、今の仕事にヘキヘキしている夫フランクも、
その話しに、つい乗ってしまう。
そう、自分たちは「特別な」人たちなんだから、
平々凡々の生活の、そこいらの人たちとは違う・・・だから、パリ。
パリ行にふたりの夢を託し、準備を始める。
ところが・・・
フランクは、やけっぱちでやった仕事が上司に認められ、
仕事の昇進と給料の昇給を提示される。
「特別な」自分になれるかもしれない、チャンスが来る。
一方エイプリルは、3人目を身ごもっていることがわかる。
パリでは、自分が働くつもりだから、この時期の妊娠は困る・・・
そして、話しは核心へと入っていく・・・
☆あらすじはここまで。
さて、この映画、かなり重たい。
見終わって、何か重たいものが、ずっしりと来る映画。
時代背景として、
1960年代、アメリカが一番いい時代だった・・・と言っても、
過言ではないかもしれない。
戦後人々の生活は豊かになり、アメリカは、その夢の生活の先端を行く。
新興住宅地に新しいマイホーム。
そこには、車・冷蔵庫・バーベキューセット・パーティーなどなど・・・
人々の夢があふれんばかりある。
夫は会社で働き、妻は、子育てをし、郊外の家を守る。
そんな中、それだけでは、満たされない思いを持つ人々も出てきた・・・
と、この映画は示唆する。
そして、もうひとつ。
この時代、堕胎は圧倒的な宗教的理由で禁止されていた。
アメリカでは、今でも、この堕胎の論争が根強くある。
そういう時代背景を鑑みてみれば、
この映画の重さが見えてくるようにも、思える。
・・・
結局、妻エイプリルは、女優になる夢を断たれ、
日々の恵まれた生活に「幸せ」を見つけることができなかった。
自分は違う、自分には他の生き方がある、と、もがくエイプリル。
じゃあ、あえて言わせてもらえれば・・・
そのほかの自分らしい生き方を見つけ出すために、何か努力している!?
って尋ねたら、エイプリルは、答えに窮するだろう。
とにかく、不満なのだ。
ニューヨークの郊外の美しい道路沿いにある、白い家。
近隣でも評判の美しい家。
そこに、夫とふたりの子供と生活する日々。
しかし、何か虚しい・・・
ある意味、わかるな〜って感じもある。
エイプリルに対して、わかるよ〜って言いたい気持ちもある。
でも、もうひとつ言いたいのは、
今の生活、今持っているモノ(家族・友人・家・車などなど)
その中に、幸せや楽しみを見つけ出せないのかっていうこと。
不満があるとすれば、日々の生活の中で出来る何かを見つける努力、
そんなものが欠落してたのでは、とも思う。
とにかく、わたしが、ぐじゃぐじゃ書いても、
この映画の説明はしにくい。
観る人によっては、違う感想も、当然あると思うから。
ちなみに、原作はリチャード・イェーツで、本もある。
興味のある方は、ぜひ。
他の人の感想を聞いてみたい。
・・・
「タイタニック」後のふたり。
少々貫録も付いてきて・・・その辺り、ちょっとほほえましい。