ヒーレンハウス













暗くなったタイピン駅、ハンター(友達)はバスの時刻表を見に行った。
駅の前に立っている私に、ちょっと怪しいおじさんが、
「どこまで行くん?」と聞いてくる。どうもタクシーの運転手らしい。
マラッカまでいくらで行くのか、どのくらいの時間で行くのかを聞いてみる。
一応、ガイドブックに書いてある値段と時間とほぼ同じことを言う。

ハンターはバスで行くと言い張るが、バスの時刻表は意味不明だったという。
だいたい、意味不明なのに、この時間にバスを待つの?と言いたい。。。

タクシーと交渉成立、タクシーに乗り込む。
二人なのに、なぜか私は助手席、ハンターは後部座席。
機嫌を損ねたハンターは黙り込む。。。 いつものこと。。。

さて、タクシーの運転手、名前をィザッカヤン???と言った。
私には「居酒屋ン」にしか聞こえない。
まあ、とにかく話の好きな運転手で、いろいろと話をしてくる。

ある日本人の女の子の話。
私たちと同じ時間の汽車から降りてきた、20歳ぐらいの女の子一人。
マラッカまでタクシーに乗せた。
ところが、日本円のトラベラーズチェックしか持っていないという。
現金マレーシアリンギットは全然なしと言う。
もちろん泊まるホテルも決まっていないと言う。

そこで、この「居酒屋ン」は、なんと自宅にその女の子を連れて帰ったそうな。
ウハァ〜、そんなの危なすぎない?!
自宅に戻ったら、「居酒屋ン」の奥さんは目を真ん丸くしたそうな。
息子の「居酒屋ンジュニア」とは意気投合して、
それからご飯を食べに夜の街に繰り出したそうな。

翌朝、「居酒屋ン」が銀行まで連れて行って、トラベラーズチェックを現金化。
無事に、タクシー代を払ってもらったそうだけど、
「日本の女の子って、こんな危ないこと平気でするの〜?」って聞かれた。

さて、タクシーは夜のマラッカに無事到着。
実は、私たちもホテルの予約とかしていない。
とりあえず、「ヒーレンハウス」と言う、マラッカっぽいゲストハウスへと。

ドアを開けると、そこには、亀仙人のような白ひげのおじいさんが。
「ここの宿泊代、いくらだと思う?」と私に聞く。
ハンターは、また、だんまりだ。。。 
実は、リンギットでのレート率なんて全然わかっていないのだ。

私は、本当は知っていたけど、それよりも安い値段を言う。
「だいたいあっているけど、○○リンギットかかるよ。」と亀仙人。
その値段、調べていた値段の通り。それでOKだというと、
「実は、その値段の部屋は空いていない。しかし、高い部屋ならある。」
高い値段だと困るな〜って顔をしていたら、
「一番いい部屋に同じ値段で泊まっていい、
 ただし、ベッドは4つあるが、ベッドはふたつしか使ってはいけない。」
亀仙人は得々と説明する。
部屋は、すごく広い部屋で、おまけにベッドは天蓋付きベッド。

夕飯を食べていないと言うと、亀仙人ご推薦の店を紹介してくれた。
「マラッカは、夜でも安心の街。食事はマダム○○の店へ」
言われたとおりの店に行く。
確かに、おいしいし安かった。

夜のマラッカは、旧正月前なので、特別な飾りつけとライトアップが、
幻想的であった。

「居酒屋ン」といい、亀千人といい、マダム○○は、もっと幻のようだった。