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海外を旅行していると、
なんだろう?って思うものに遭遇することがある。

タイやマレーシアで遭遇したもの、
それは、トイレなどの横にある、大きなかめ。

ホテルとか、レストランとか、ほとんどは洋式のトイレだったが、
たまに、郊外とか、地方とかに行くと、見かけた、大きなかめ。

どのくらいの大きさかというと、
小さなものだと腰ぐらいの高さのかめ、
大きなものだと胸ぐらいの高さぐらいのかめ。

かめの形は、梅干しとか、味噌とかを仕込むような形。
色は、ほとんどは、茶色だったような気がする。

プラスチックの「ひしゃく」のようなもの、
または、洗面器の小さいのが、必ずセットで置いてあった。

中には、水がたくさん溜まっていた。
トイレを流す水かな?なんて思いもしたが、
水洗トイレの横に、あるから、そうじゃないよね・・・

何かな?と、現地の人に聞いてみると・・・

マレーシアでは、主に、お祈りの前に身体を清めるために、
水浴びをするらしい。
その時に、使う水をこの中に入れているという。

マレーシアは、イスラム教の国だから、
日に数回、人々はお祈りをする。
その前に、水浴びをするという。

なるほど〜、と思ったことがあった。

では、タイでは、どうして必要なの?
タイでは、ほとんどの人は仏教徒なのに?

タイで聞いたら、違った答えが出てきた。

なんでも暑いから、日に何回も水浴びをする、
そのための水だという。

水浴び!? でも、トイレだから、着替えるところがない。

大丈夫、大丈夫、服の上から水浴びするんだ、って答え。
へぇ〜、これにはびっくり。

タイの2月、一番暑い時期らしい。
一番涼しい時期かと思って行ったから、聞いてびっくり!
とにかく、暑かった。
体感温度では、40度は簡単に超えている気分だったが・・・

日中、道路の向こうは、かげろうで揺らいで見える。
地面から、ゆらゆら、ゆらゆら、あちらがゆらゆら見える。

とにかく暑くて、暑くて、たまらなかった。
人間干物になりそうなぐらい、暑かった。

そんな中、タイの人々は、水浴びを一日に何回もするらしい。
トイレに行ったついでに、水浴びをするらしい。
洋服の上から、ざばざば水をかけるらしい。

全身ずぶぬれだって、全然へっちゃら。
すぐに乾いちゃうから。

今まで、汗まみれだった身体も服も、これできれいさっぱり。
汗臭くもないし、身体や服が乾くときの気化熱で、身体は冷えるし、
いいことずくし。

ちなみに、タイシルクって高価なような気がするけれども、
現地で、人々が着るタイシルクは、そんなに高くない。
タイシルクの利点は、着ていて涼しく、すぐに乾いちゃうところ。
なるほど、暑い生活に根差した服なんだ、と納得。

お店やホテルなどは、寒いくらいにクーラーがきいていたけれども、
ローカルなレストランとか、お店には、クーラーがない。
もちろん、暑い。

でも、人々は、トイレのついでに水浴びをするから、
そんなに暑くないんだよ〜って、教えてくれた。

今、この夏の節電のことを考えている。
しかし、
この夏のことだけを考えるだけでは足りないのではないか、
そうも思いはじめている。

生活の根本を見直す、これをしなくちゃな〜って思う。
小手先の節電なんて、一時はそれでいいかもしれないけれども、
生活のずっと根っこの部分から、節電できるようなライフスタイル、
これを目指さなくてはいけないのかな、って思っている。

その時、ふと、南の国のトイレにあった、かめのことを思い出した。
一年中暑くて、クーラーのない生活。
昔からの知恵を生かして、涼しくなるようなスタイルで暮らす。

人々は、日に何度も水浴びをする。
全身濡れても、すぐに乾いちゃうような服を着る。
究極のエコスタイルなのかもしれない・・・
などなど、ちょっと考えたのでした。


・・・・・
タイのアユタヤに行った時のこと。

バンコクからアユタヤまで2時間以上、冷房もない列車に乗った。
切符代、今も忘れない、日本円にして45円。

アユタヤについて、ホテルを探しているとき、
暑くて、暑くて、熱く熱く身体がなってきた・・・

友だちが、ふたりとも熱中症になると騒ぎ出す。

民家の軒先にわたしを座らせて、とにかく、ここで待てと言うと、
荷物を全部置いて(バックパックの旅だったから)
いきなり、どこかへと走り去って行った。

軒先の影の中で待つこと10分あまり。
友だちが、手に2リットルのペットボトルを数本持って走って来る。
一本は、もう空けて、その中の水を飲みつつ、
頭から、ざばざば水をかけつつ。

わたしのところに来たら、
いきなり、その水を、ざば〜っと頭の上からかけた。
とにかく、冷やせ、冷やせ、と言う。

結局、買ったペットボトルの水を、たらふく飲んで、
それから、残りは全部頭からかけた。

気持ちのいいのなんのって・・・!

そうやった後、数分。
身体の熱さはしっかりと取れ、服も見る見る間に乾いた。

そんな暑い中での人々の暮らし、
水がめでの水浴びが、しっかりと根付いているんだと、
あと後気がつかされた。

・・・・・

エアーコンディショナー、やっぱり買い換えることにした。
全然電気使用量が違うみたいだから。
今、見積もりを取っているところ。
いくらになるのかな・・・

でも、今年の夏は、なるべく、水浴びをして、
涼しい服を着て、夏を乗り切ろうと思っている。

衣換えの時、タイシルクのスカートが出てきた。
今年の夏は、タイスタイルもいいかも、と思っている。