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梅雨の間の晴れ、風が気持ちいい。

数日前に新茶が届いた。
届いたのは、雨の日。
すぐに開けたい気分をぐっとこらえて、晴れの日を待つ。

今朝、すっこーんと遠くまで見渡せるような晴れ。

さっそく、新茶を茶筒に入れ直す。
そう、新茶を茶筒に入れるのは、晴れた日がいいの。

なくなった祖母、いつも言っていた。
雨の日に、お茶を茶筒に入れてはいけない。
湿気がお茶にこもり、お茶がまずくなるから。

小さな頃から、おばあちゃん子だった。
祖母は、大のお茶好き。

冬には、火鉢に鉄瓶がいつも置いてあって、
お湯が、ちゅんちゅん沸いていた。

鉄瓶から、湯ざましの器にちゅんちゅん沸いたお湯を入れ、
ほど合いを見計らって、万古の急須にお湯を注いでいた。

小さな茶卓をふたつだし、その上に小さな湯のみをふたつ用意した。
お茶がほどよくなるまでの時間、茶棚から何かごそごそと出し、
それを、小さな豆さらに用意した。やっぱり二つ。

そして、ちょっと渋めのお茶を湯のみに注ぎ、
「どうぞ」と言って、
豆さらに乗ったお菓子と、茶卓の上に乗った湯のみを、
わたしの方に出してくれた。

記憶確かではないが・・・
幼稚園のころから、遊びに行くと、このようにお茶を出してくれた。

小さな頃から、甘いお菓子が苦手で・・・
お菓子の方には、ほとんど興味がなくて、
でも、渋い、濃い緑のお茶、あれは、何杯もお代わりした。

そんなことを思い出しながら、新茶を入れた。

お菓子はなし。
そして、
茶卓もなし。

唯一、湯ざましでお湯をちょっと冷まして・・・
それも、鉄瓶で沸かしたお湯じゃなくて、ティファールで沸かしたお湯。

風情も何もあったもんじゃないけれども、
それでも、朝から、新茶をいただいた。

風薫る5月、イヤ、6月だけど・・・
気持ちのいい風の中、新茶をいただく。

新茶、おごちそうさまでした。