FH000042_1










↑たぶん、タイの空港の写真。
ひとり空港の隅に座る、わたし。
恥ずかしいから、今日は小さな写真。

ハンターが、いきなり、用事があるから、
「ここでしばらく待っといて・・・」と言う。

2人分のバックパックの横に座り込む。
暑い外から来て、空港の床の冷たさが気持ちいい。
思わず、裸足になり、ハンターの帰りを待つ。
その時、ハンターが撮った写真。

・・・

ハンターは、狩猟民族の出身。
獲物を見つけた途端、走り出す。
その瞬時の行動力と判断力には敬服する。

わたしは、農耕民族の出身。
日本人だもの・・・米を作って生きてきた人間。
季節の変化に合わせて農耕をする計画性、
こんなものが、血の中にあるのかも・・・

こんなふたりのコンビが旅行すると・・・
だいたい、ファーマーのわたしが、切符の手配や宿の手配をする。
それから、移動手段を調べたり、時刻表を調べたり、
また、現地の地図を調べたり、安全性を調べたりする。

ハンターは、わたしが下調べしたことに、基本、文句はない。
ただ、
たまに、わけわからない文句を言う。

そんな時は、ほっとく!

で、わたしの行きたいところに、わたしは行く。
ハンターは、だいたい、どこらにいるかもわからないから(笑)
わたしに付いて来るしかないのだ!

何か、事が起こると、その時は、ハンターの血が騒ぐのか、
ぐっと目の色が変わり、その行動の早いこと、早いこと。
それは、その名の通り、ハンターだ。

「水浴び」で書いたが・・・
タイのアユタヤで、熱中症!?になりかけたとき、
急いで陰の軒先に、わたしを座らせ、走りに走って水を買い求め、
頭の上から、有無を言わさずに、水をジャンジャンかけたのは、
ハンターの判断力のすごさ!

こうやって、でこぼこコンビならぬ、
ハンターとファーマーのコンビで、あちこち旅をした。

・・・

マレー鉄道の旅、シンガポールから北のバンコクに向かう途中・・・
マレーシアとタイの国境の町、バタワースへと着いた。
ここで、タイへ向かう列車の切符を買おうとしたら・・・

なんと、一週間先まで切符は満席と言う。

う〜ん、困った。
バスで国境を越えるかとも思ったが・・・
バスだと、その後、どうなるか、全く見当もつかない。
おそらく、想像を越える旅となることは、確か。

どうする・・・

しばし考える。
下調べをしていないハンターは、全くどうしていいのかわからず、
タダただ、機嫌が悪くなるだけ・・・

はっと思いだした。
バタワースの向こうには、ペナン島がある。
ペナン島には、空港がある。
その空港から、一気にバンコクに飛ぶ方法がある。

ハンターに相談する。
マレー鉄道の旅だが、列車の切符がない以上、
バスにするか、飛行機にするか、この二つしか選択肢は残っていない。

さすがのハンターも、バスはヤバいと思ったのか、
飛行機案に賛成する。

そうなったら、対岸のペナン島へとフェリーで渡る方法を見つける。
と、すぐ近くがフェリー乗り場。
それに、フェリーは、一日何本も運行されている。

問題は、ペナン島のことなど、これひとつ調べていなかったから、
はたして、どこで飛行機のチケットを買うのか、皆目見当もつかない。

しかし、前に進まねばらなぬ。
とにかく、フェリーに乗り込む。

手元にあった、ざっくりしたペナン島の地図。
よく見ると、フェリー到着港のすぐ近くに、バスセンターがある。
バスセンターなら、きっと観光案内所がある。
または、旅行代理店がある。そこで飛行機チケットが買える。

フェリーで到着後、そのバスセンターを目指す。
ちょっと歩いて見つけたバスセンターを見て、
わたしは、その場にへなへなと座り込みそうになった・・・

ほったて小屋のような建物。
四隅に柱が4本立っていて、その上に粗末な屋根が乗っかっている建物。
柱の一本に蹴りを入れたら、崩れ落ちそうな建物。

そこに、「バスセンター」と書いてあった・・・

笑う余裕もなかった・・・

こんな時、力を発揮するのがハンターだ。
「どうにかなるっ!」と、根拠もないのに、がぜん力が出るのだ。
バスセンター横の砂ぼこりのする道を、いきなりぐんぐん歩きはじめる。

「こんな場所に、飛行機チケットを売っている場所なんてないよ。
 だいたい、PCがあってオンラインでつながっているような、
 そんなオフィスなんて、ありそうにないじゃない・・・」
と、わたしは、心細くなり、泣きそうになる。

しかし、3分も歩かないうちに、ハンターが言う。
「シンガポールエアラインのマークが見えた!」と。

え〜っ?????? 
通りのどこをどう見ても、そんなマークは見えない。
いくら目を凝らしても、メガネをしても、見えない。
ハンターは、見えると言い張る。

そして・・・5分後、ありえないような場所にポツンと・・・

シンガポールエアラインの事務所があった。
きっと、ハンターには、事務所の匂いがしたのだ・・・と思った。

中で切符を買う。
値段は、思ったよりもずっと良心的な値段。
ただし、切符は、明日朝の一便、ペナン発バンコク空港行き。

ここで、もしかして、チェンマイまで飛ぶ・・・なんても考えたけど、
チェンマイの状況は全く調べていなかったし、
タイのかなり北だから、これは、あっさりと諦めた。

とにかく、切符を手にした。
やれやれと思う間もなく、今夜の宿を探さなくてはならない。

街をもう少し歩くと、中華系の旅行代理店があった。
すごくフレンドリーなおばちゃんがいて、
我々があまりにも、貧乏っちい恰好だったためか・・・
代理店を通すとお金がかかるから、
自分たちでホテルに行った方がいいと言う。

ここでハンター、何を思ったのか・・・
ペナンで一番いいホテルはどこか?と聞く。

あ〜あ〜、とうとうプッツン来たなぁ〜〜〜と思う。

おばちゃんが笑いながら、そのホテルの名前と場所を教えてくれた。
おまけに、旧正月過ぎだったから、中国の縁起のいいといわれる、
赤いふさふさが付いた黄色いカレンダーもくれた。

外に出ると、スコールが来そうな空模様。
ヤバい、ホテルも決まってないのに、ずぶぬれはもうたくさん。

ハンター、走りだす。
あっちにタクシーが見えたと・・・
確かに、タクシーがいた。
タクシーに乗ったとたん、すごい雨が降り始める。

ハンターは、その島で一番高いホテルの名前を、運転手に告げる。

             つづく・・・