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「姑の遺品整理は迷惑です」 垣谷美雨 著

あらすじ
姑が亡くなり、住んでいたアパートを片付けることになった嫁。
業者に頼むと高くつくので、嫁の望登子は一人で片付けを始める。
姑の残したものは「安物買いの銭失い」そのものであり、
3DKの部屋には、どこも満杯の荷物が詰め込まれていた。
そして・・・

笑いながら、考えさせられながら、最後まで読んだ。
もし、わたしが、主人公だったら・・・  
亡くなった姑を恨むだろう・・・

なぜ、モノを捨てなかったのか?と、恨むだろう。

この姑の場合、家にあったものは、安物ばかり。
だから、嫁の望登子にとって、捨てるのに躊躇はない。
もし、これが、捨てるのに躊躇するようなモノばかりだったら。

この本の中で、一番心に残ったのは、
 もったいないから、と、処分できなかったモノをとっておき、
 その処分を、次世代へと引き渡す。

 自分で処分できなかったモノを

 「処分する決断」まで、次世代に残す


確かに〜 その通りだ。

親たちは、もったいなくて処分できなくて、
とりあえず取っておこう、と、押入れの中に何気なく入れる。

それらが、遺品となった時、
残されたものたちが、その、もったいないモノと向き合う。

使わないけど、それなりに価値のあるもの、
趣味が合わないけれども、値段の張るもの、
家宝かどうかわからないような、壷や掛け軸などなど・・・

読んでいて、自分のことのように、いろいろ考えた。

・・・

8月、喘息がひどくて、息がヒューヒュー言っていた時、
オットに言った。

「もし、わたしが突然死んだら、
 私のモノは、すべて処分してほしい。
 すべて捨てても構わない。
 金銭的に価値のあるものは、何ひとつ、ない。
 もし、欲しいという人が現れたら、
 どれでも、なんでも、差し上げてください。」

オットは、わかったと言った。

わたしの持っているものなど、価値のあるものは、何もない。
ただ、それなりの量は、あるから、
処分は大変だと思う。

人間、いつ死ぬかわからないから、
わからないから、こそ、年齢と共に、
持ち物は減らさないと・・・